クラシック三冠〜意味と歴代三冠馬〜|用語解説
画像 : ディープインパクト(日本ダービー、2005年)JRA
競馬の世界には、年齢ごとに出走できるレースが決まっているものがあります。
デビューは2歳から(3歳でデビューする馬もいます)で、様々な条件レースや重賞があり、重賞のうち、GⅢ、GⅡの上にあるレースがGⅠと言います。
GⅠ馬と言えば、「めちゃくちゃ強い馬」の代名詞です(参考 : 中央競馬のGⅠ一覧)。
このGⅠには、年齢や牝馬限定など、出走に条件の課されているレースもあり、また短距離から長距離、ダート(砂)戦など、様々なジャンルのチャンピオンを決めるレースが揃っています。
このGⅠレースのなかでも、ひときわ花形のレースが、3歳馬の王者を決める「クラシック三冠」です。
クラシック三冠とは、3歳馬の牡馬・牝馬が出場できるGⅠ「皐月賞」「東京優駿」「菊花賞」の3レースを指します。
それぞれ、春に行われる皐月賞(2000m、芝)、初夏の頃に開かれる日本ダービー(2400m、芝)、そして秋に開かれる菊花賞(3000m、芝)と、時期が少し離れています。
このクラシック三冠を全て制覇した馬を「三冠馬」と呼び、三冠馬は歴史上数える程しかいません。
以下が、歴代のクラシック三冠馬です。
達成順 | 年度 | 馬名 | 騎手 | 生涯成績 |
---|---|---|---|---|
1 | 1941年 | セントライト | 小西喜蔵 | 12戦9勝 |
2 | 1964年 | シンザン | 栗田勝 | 19戦15勝 |
3 | 1983年 | ミスターシービー | 吉永正人 | 15戦8勝 |
4 | 1984年 | シンボリルドルフ | 岡部幸雄 | 16戦13勝 |
5 | 1994年 | ナリタブライアン | 南井克巳 | 21戦12勝 |
6 | 2005年 | ディープインパクト | 武豊 | 14戦12勝 |
7 | 2011年 | オルフェーヴル | 池添謙一 | 21戦12勝 |
牡馬だけでなく牝馬も出走可能なクラシック三冠。
一方で、「牝馬三冠」と言うと、3歳牝馬限定の「桜花賞(1600m、芝)」「優駿牝馬(2400m、芝)」「秋華賞(2000m、芝)」となります。
もともと牝馬三冠は、桜花賞とオークス以外に最後の一つがビクトリアカップ(のちのエリザベス女王杯)でしたが、途中でエリザベス女王杯が古馬に開放され、その後、秋華賞が創設されます。
ただし、クラシックは、皐月賞、日本ダービー、菊花賞、桜花賞、オークスのみで、秋華賞はクラシックとは呼ばれていません。
なぜかと言うと、クラシックの成り立ちが、イギリスのレースに由来する古くからあるレースであり、秋華賞は、新しいレースだから、というのが理由のようです。
レース名 | 創設 | 距離 |
皐月賞 | 1939年 | 2000m(中山競馬場) |
日本ダービー | 1932年 | 2400m(東京競馬場) |
菊花賞 | 1938年 | 3000m(京都競馬場) |
桜花賞 | 1939年 | 1600m(阪神競馬場) |
オークス | 1938年 | 2400m(東京競馬場) |
秋華賞 | 1996年 | 2000m(京都競馬場) |
*ビクトリアカップは1970年創設、1976年にエリザベス女王杯に変更。エリザベス女王杯は1996年に古馬にも開放。代わりの牝馬三冠最後のレースとして秋華賞を新設。
今後、時代が移り変わり、秋華賞も伝統的なレースとなったときに、「クラシック」と呼ばれる日も訪れるのでしょうか。
以上、「クラシック三冠」の用語解説でした。