雑学・用語

オークス【意味・由来】

オークス【意味・由来】

優駿牝馬オークスとは

競馬のレース名である「優駿牝馬」は、別名「オークス」とも呼ばれ、3歳牝馬限定のGⅠレースです。

皐月賞、ダービー、菊花賞という牡馬だけでなく牝馬も出場できる「クラシック三冠」と対比される、「牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)」のうちの一つです。

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日本におけるオークスの第一回開催は、1938年11月23日。

イギリスのオークスを範として創設され、当初は「阪神優駿牝馬」というレース名でした。

オークスの距離は、創設後まもなく2700m。1942年〜45年のあいだは2450m、そして1943年以降は現在と同じく2400mになります。

競馬場も、当初は阪神競馬場でしたが、1946年から東京競馬場に変更されます。

この競馬場の変更を機に名前も優駿牝馬となり、オークスという名前がつけられるようになったのは、1965年からです。

開催時期も、1952年まで秋だったものの、53年以降は春季(初夏)に変更となります。

ちなみに、第一回の優勝馬は、アステリモア。生涯成績は14戦3勝でした。

名前の意味、由来

日本のオークスという名前は、もともとイギリスで1779年に創設されたオークスステークスにちなんだものですが、それでは、本家オークスの意味や由来とは、一体どういったものなのでしょうか。

オークスは、英語で書くとOaks、これは植物のオーク(かしならなど)を意味します。

本家イギリスのオークスの起源は、第12代ダービー伯爵エドワード・スミス=スタンリーが、新婚の夫人のために、自身と友人が所有する牝馬同士を領地でレース(距離は1.5マイル、約2400m)させたことが始まりです。

オークスという呼び方は、この領地にある別荘の名前に由来し、領地には、立派なオークの木々があったことから、その別荘も「オークスの館」と呼ばれていたようです。

こうしてオークスステークスが始まり、日本でもオークスと呼ばれるようになったのでした。

オークス(2018年) アーモンドアイ

オークス馬は、通称「かしの女王」と呼ばれることがあります。

この「樫の女王」の由来も、この領地に立っているオークの木々にあります。

ただ、どうやら正確には、イギリスのオークは、樫ではなく楢であるらしく、「楢の女王」のほうが正しい、という声もあります。

確かオークは日本語ではカシの木の樫ではなく、ナラの木の「楢」の意味だし、そもそも樫と楢では、樫は冬でも葉を落とさない「常緑樹」で楢は秋に葉を落とす「落葉樹」と大きな違いがあるから、英語でも別な言葉があるはずと思ったのです。

そこで調べてみるとヨーロッパのオークの多くは落葉樹のナラであり、常緑のカシは南ヨーロッパ以外では稀とのことなので、競馬の本場イギリスのOakはナラをを意味すると思って間違いないでしょう。

それに英語のOakという単語はやはりナラを表し、常緑性のカシを表す場合はLiveOak (ライブオーク)を使うとのことです。

したがって、オークス優勝馬は樫の女王じゃなく、正しくは”楢の女王”と呼ばれるべきなのです。

出典 :「オークス(樫の女王)」森林インストラクター

ちなみに、牝馬三冠の最初のレース桜花賞の勝者は「桜の女王」と呼ばれます。