天皇賞・春と牝馬
長距離王者を決める春のGⅠ天皇賞・春。距離は3200mと、平地GⅠでもっとも長距離のレースです。
天皇賞・春では、牝馬が優勝したことが、もうずいぶんと長いあいだありません。
牝馬が天皇賞・春を優勝したのは、歴史上、1953年のレダのみです。
天皇賞・春の過去の牝馬の着順が掲載されたサイト(天皇賞・春の牝馬挑戦歴)を見ると、50年以上の歴史のなかで、一着が一頭、二着が二頭、三着も二頭、四着が五頭、五着が八頭という成績。
また、この五着までに入っている牝馬というのも、一番近い年で1965年です。
もう50年以上、天皇賞・春で牝馬が五着以内に入っていないことになります。
ちなみに、2020年の天皇賞・春(結果)はフィエールマンが優勝しましたが、このときは牝馬はメロディーレーン一頭で、13番人気の11着。
2019年の天皇賞・春(結果)もフィエールマンが優勝で、この年は牝馬出走はなし。
2018年の天皇賞・春(結果)は、優勝がレインボーラインで、牝馬はスマートレイアーが一頭出走。12番人気の8着。
2017年の天皇賞・春(結果)では、優勝がキタサンブラックで、牝馬はプロレタリアト一頭のみ。17番人気の16着でした。
こう見ると、牝馬はやはり相当長距離は厳しく、そもそも出走する馬自体がほとんどいないようです。
牝馬にとって長距離は過酷で、そのぶんリスクもあるため、避ける傾向にあるのかもしれません。
また、そもそも長距離重賞が少ない上に、牝馬限定の長距離重賞がないことも、長距離馬が出づらい要因として考えられるかもしれません。
いずれにせよ、もう半世紀以上、天皇賞・春で牝馬が5着以内に入っていない、というのは、重要な事実でしょう。
一方で、2021年の天皇賞・春では、実力のある牝馬として、ウインマリリンやカレンブーケドール、また昨年に続いてメロディーレーンが出走します。
史上二頭目の天皇賞・春の牝馬優勝馬が誕生するのでしょうか。